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高松高等裁判所 昭和42年(ネ)220号 判決 1970年9月17日

主文

(一)  一審昭和四〇年(ワ)第一七四号事件について、本件控訴を棄却する。

(二)  一審昭和四〇年(ワ)第一七六号事件について、原判決を取り消す。

右第一七六号事件の被控訴人両名は同事件の控訴人に対し各自金一四五万円及びこれに対する昭和三八年七月四日以降完済まで年五分の割合による金員を支払え。

右第一七六号事件の控訴人のその余の請求を棄却する。

(三)  右第一七四号事件につき控訴費用は控訴人らの連帯負担とし、右第一七六号事件につき訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの連帯負担とする。

(四)  この判決中(二)の第二項は右第一七六号事件の控訴人が同事件の被控訴人両名に対し各金四〇万円の担保を供するときは、仮りにこれを執行することができる。

事実

一審昭和四〇年(ワ)第一七四号事件について、控訴人らは「原判決を取り消す。被控訴人らは連帯して控訴人らに対し各金三〇万円及びこれに対する本件訴状送達の翌日以降完済まで年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの連帯負担とする。」との判決並びに仮執行の宣言を求め、被控訴人らは「本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人らの負担とする。」との判決を求めた。

一審昭和四〇年(ワ)第一七六号事件について、控訴人は「原判決を取り消す。被控訴人らは控訴人に対し各自金二〇〇万円及びこれに対する昭和三八年七月四日以降完済まで年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。」との判決並びに保証を条件とする仮執行の宣言を求め、被控訴人らは「本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする。」との判決を求めた。

当事者双方の事実上及び法律上の主張並びに証拠の提出、援用、認否は、次の点を付加するほか、原判決の事実摘示と同一であるから、ここにその記載を引用する。(但し、原判決二枚目裏八行目に「甲一、三六九番二山林」とあるを「甲三、三六九番二山林」と訂正し、原判決一二枚目表六行目の「(第一、二回)」を削り、同七行目の「原告広末亀太郎」の次に「被告柿内作馬」を加える。)

(一審昭和四〇年(ワ)第一七四号事件の控訴人ら、一審昭和四〇年(ワ)第一七六号事件の被控訴人らの主張)

(一)  本件山林について郷分(右第一七六号事件控訴人)には何らの権利がない。以前に郷分所有の土地として七六町七反余の山林が昭和二二年七月頃自作農創設特別措置法に基づき買収せられ、その買収代金三二万五、九三七円二四銭を郷分代表者が受領したことがあり、当時郷分は右山林に対する代替地の払い下げを関係当局に陳情したのであるが、その承認を得られなかつたものの、その際当局から、郷分に対する代替地としては払い下げられないが、部落民の共有地とする趣旨であればある程度の国有山林は払い下げをしてもよい旨の回答があり、その結果本件山林が右措置法四一条の三の規定に基づき部落民の安岡朝治ほか一九五名に対し同人らの共有地として代金四七万円で売り渡され、その代金は右安岡らが当局の承認を得て本件山林地上の立木を売却した代金を以て支払いをすました実情にあり、郷分においてその代金を支払つた事実などはなく、右経緯からみて郷分が本件山林につき何らかの権利を取得すべきいわれがない。なお、右買収地はもとは郷分の入会地となつていたものであるが、明治四二年頃訴外坂本某ほか二二四名が地上権の設定登記を受け、入会地から除外して貰つて、右訴外人らの共有地となつたもので、買収当時はすでに郷分の入会地ではなかつた。

(二)  本件山林の立木の価格がその競争入札による売却当時の時価で少くとも金一、〇〇〇万円に達するものであることは認める。

(一審昭和四〇年(ワ)第一七四号事件の被控訴人ら、一審昭和四〇年(ワ)第一七六号事件の控訴人の主張)

(一)  本件山林は従前主張のとおり、買収された山林の代替地として郷分が払い下げを受けたものである。買収代金は当時の郷分代表者において受領し、他方払い下げられた本件山林の代金額は金四九万七、八二四円五〇銭(土地代二万九、一八六円、立木代四六万八、六三八円五〇銭)であるが、これを郷分代表者が国に対し支払いずみである。なお、郷分所有の山林はその殆んどにつき個人名義の地上権設定登記がなされているが、その登記のある山林が入会地から除外され、部落民個人の一般共有地となつた事実はない。

(二)  本件山林立木の競争入札による売却に対して行なわれた妨害行為は、柿内作馬(右第一七六号事件被控訴人)が入札現場に現われ、買受け希望者の面前において、広末亀太郎(同被控訴人)の書いた売却禁止の文面の紙片を示し、かつ同旨の内容の暴言を吐いた行為であるが、その行為のため、当日現場には買受け希望の木材業者ら九名位が来合わせていたが、その殆んどが入札実施前に立ち去り、実際に入札を行なつた者は僅か三名にとどまつた。その結果、丸仁商店(右第一七四号事件被控訴人)の最高入札額が郷分側の見込価格(敷札)に遥かに及ばぬ額に終つたので、郷分代表者竹崎権之進は他の役員らと協議を行なつたのであるが、結局右丸仁商店に売却することを決定した。この決定がなされるに至つた事情として(イ)本件山林立木の種類、性質及び状況(杉、桧などよりむしろ雑木の量が多く、それらがすでに伐採期に達していて将来の生長が期待できぬ)、(ロ)附近に設置されている営林署の軌道が近く撤去される状況にあり、現在それを利用して伐採木を搬出する方が経費の面で有利である、(ハ)郷分の年間経費として約七〇万円が必要であるが、当時その資金が底をついていたこと、(ニ)前記の妨害行為のため折角の競争入札による売却を中止することとなれば、将来も反対行動のやまる見込みはうすいので、結局売却不能の事態を招きかねないし、今後の郷分の運営にも支障をきたす、などの事情があり、郷分としてはこれらの事情を考慮すれば、当時即時に丸仁商店に対し本件山林立木の売却を行なう措置をとる以外に、売却の遅延で予想される損害の増大を防止する適当な方策がなく、売却処分はやむを得ない措置であつた。

(証拠)(省略)

理由

(一審昭和四〇年(ワ)第一七四号事件について)

当裁判所も、本件山林は、控訴人らを含む訴外安岡朝治ほか一九五名の共有に属するものではなく、本村郷分が国より払い下げを受けて所有する入会地であつて、右郷分の総会の適法かつ有効な決議に基づいて本件山林中の係争立木は被控訴人丸仁商店に対して売却されたものであり、従つて被控訴人竹崎並びに丸仁商店の各行為はいずれも不法行為を構成する余地がないので、それが不法行為であることを前提とする控訴人らの本件損害賠償の請求は失当であると判断するものであるが、その理由は原判決の理由一ないし三(原判決一二枚目裏八行目から同一九枚目裏四行目の「失当である」まで)に説示するところと同一であるから、ここにその記載を引用する。(但し原判決一三枚目表一行目の「被告等は、」の次に「係争立木を被告丸仁商店に売却したことは争わないが、」を加え、同七行目「右主張に沿う」の次に「甲第一、二号証、」を加え、同行から八行目にかけての「(第一、二回)」及び同八行目の「藤村六郎」を削り、同八行目の「広末亀太郎」の次に「被告柿内作馬(一審第一七六号事件)」を加え、同一二行目の「乙第二号証の一、二」の次に「第四、五号証」を加え、同一三枚目裏三行目に「証人安岡朝治(第一、二回)、」とあるを「証人安岡朝治(第一回中一部、第二回)、」と訂正し、同三行目の「柿内作馬(第一回の中一部)」を「柿内作馬(一部)と訂正し、同行の最後に「下村要(一部)、弘田初馬(一部)」を加え、同四行目の「結果」の次に「中一部並びに弁論の全趣旨」を加え、同九行目に「明治二六年と同三一年に、」とあるを「明治二九年(同三一年改正)に、」と訂正し、同一四枚目裏六行目に「町有財産」とあるを「村有財産」と訂正し、同一五枚目裏一二行目に「代金四七万」とあるを「代金四九万」と訂正し、同一三行目の「郷分の貯金」から同一六枚目表二行目の「充当したもので、」までを「郷分において右山林の立木一部を売却する等の方法で調達した金員を以て支払いをすまし、」と訂正し、同四行目に「その以前にも」とあるを「昭和三一年頃にも」と訂正し、同七行目の「認めることができる。」の次に「以上の認定に牴触する証人安岡朝治(第一回)、柿内作馬、下村要、弘田初馬の各証言中の一部及び原告広末亀太郎、前記柿内作馬、被告竹崎権之進(原審及び当審)の各本人尋問の結果は採用できないし、他にこの認定を左右するに足る証拠がない。」を加える。同一六枚裏九行目の「物の管理処分」の次に「権」を加え、同一七枚目表一行目から九行目までを削り、同一七枚目裏七行目の「見かえりとして、」の次に「本村郷分が」を、同八行目の「その」の次に「郷分の沿革及び性格並びに本件山林の」を加え、同一二行目の「本件山林」の次、同一八枚目裏末行の「本件山林」の次、及び同一九枚目表末行の「山林」の次にいずれも「立木」を加える。同一八枚目表六行目の「乙第三号証の二」の次に「第一三号証」を加え、同一八枚目裏一行目の冒頭に「当時の共有者総数二〇〇名前後の過半数で」を加える。)

なお、控訴人らは郷分から買収せられた山林がすでに郷分の入会地から除外せられ、部落民の共有地となつていた旨を主張するのであるが、この事実を認めるに足る証拠がなく、かえつて成立に争いのない乙第一九号証及び証人安岡朝治(第一回)、下村要の各証言によれば、右山林は当時まだ郷分の入会地のままであつたことが認定できるので、この主張は採用に由ない。

(一審昭和四〇年(ワ)第一七六号事件について)

(一)  安芸郡奈半利町旧郷分の七部落が本村郷分(控訴人)と称して相当の山林を所有し、慣例として毎年(旧暦)正月一五日に同郷分の氏神である多気坂本神社で郷分の総会を開催し、右山林等の財産の管理、立木の売却、その代金の分配、税金の支払いその他の事項を決議し、かつ扱人と称する郷分の代表者を選挙し、扱人は郷分の七部落が選出する部落総代の協力を得て、右郷分を代表して総会決議事項の執行にあたつていたものであること、そして以上のことは郷分の古くからの慣習として現在に至るまで実施せられて来た事柄であることは当事者間に争いがない。

(二)  本件山林が国より右郷分に対し払い下げられて、右郷分所有の入会地となつたものであり、同山林立木につき昭和三六年三月一日(旧暦正月一五日)右郷分の総会においてこれを売却する旨の決議が成立したことは前記のとおりであり、その後同年同月二〇日右立木の競争入札が行なわれるに至つたものであることは当事者間に争いがないところ、原審における竹崎権之進(一審昭和四〇年(ワ)第一七四号事件の被告)本人尋問の結果によつて成立の真正を認める乙第一号証、第三号証の二、広末亀太郎(右同号事件の原告)本人尋問の結果により真正に成立したと認める甲第五号証、証人小笠原義光(第一、二回)、松岡勇吉(原審及び当審)、松岡耕吉、田中武春の各証言並びに有限会社丸仁商店(右同号事件の被告)代表者本人尋問の結果及び原審並びに当審における竹崎権之進(右同号事件の被告、一審昭和四〇年(ワ)第一七六号事件の原告代表者)本人尋問の結果に柿内作馬(証人及び第一七六号事件の被告本人)及び広末亀太郎(右第一七四号事件の原告、第一七六号事件の被告本人)の各供述中一部並びに弁論の全趣旨を綜合すれば、右競争入札の当日、現場には、入札希望者と思われる一〇名前後の木材業者が集つていたが、そこに右柿内作馬(被控訴人)が現われ、広末亀太郎(被控訴人)が予め白紙にマジツク黒色インキを以て書きあげた右両名を含む八名分の所有権持分権の立木売買を禁ずる旨の文面の「告示」と題する紙片(縦五五センチメートル、横四〇センチメートル)を提示して、本件山林は同人らの共有に属し、郷分の所有ではなく、共有者は競売には反対であつて売るわけにはいかないと大声でどなり立てたので、右入札希望の木材業者中相当数の者が現場から立ち去り、実際に入札をしたものは結局僅か三名にすぎなかつたこと、その入札の結果、丸仁商店が最高額の金八〇〇万円の入札をしたが、これは郷分(控訴人)側が入札の当初に見込価格として金一、一〇〇万円の最低売却値を予定していた(予定価格に関する証人小笠原義光の証言部分は措信し難い。)ので、それに遥かに及ばぬ値段であつたばかりでなく、右丸仁商店にとつてもこれは入札希望者の数が減つた状況に応じてその場で割り出した入札額であつて、右妨害行為前の当初の入札予定額を下回る価格であつたこと、しかしながら郷分としては次の諸事情から、扱人の竹崎権之進が当日現場に来合わせた役員(部落評議員)らと協議のうえ、右丸仁商店と交渉して売却値を金八五五万円に値上げして貰う手当を施こしただけで、結局本件山林立木はそのまま右商店に売却されることとなつたものであること、そこに至つた事情としては、(イ)本件山林の立木はその生長がほぼとまつていて将来の増収を期待できない。(ロ)営林署の軌道が撤去されない間に処分する方が有利であり、撤去後は伐採木の搬出費用が高くつき郷分の利益が減る。(ハ)郷分運営のための経費が年間約七〇万円位必要であるが、当時郷分にはその資金が欠乏していてそれを調達する必要があつた。(ニ)少数の反対者の反対のため折角の入札による売却を取りやめていては将来の郷分の事務の運営にも支障を生じる。殊に右柿内、広末らの反対運動は当分やまる見込みがうすいので、今後も平穏な入札が実施できる希望が持てない、などの事情があつたこと、そして右立木の売却に対する反対運動は、前記柿内作馬の入札現場における妨害行動だけにはとどまらず、当時広末亀太郎も前記「告示」と題する紙片二〇枚位を、居住地の奈半利町内はもとより隣接町村内の人目につく場所にまでも貼りつける行動に出ていて、右両名はそもそも右立木売却の議案が審議され、その旨の決議が成立した前記郷分の総会の席上以来公然と卒先して反対運動に従事していた者であることが認定でき、以上の認定に反する証人柿内作馬の証言及び同人並びに広末亀太郎の各本人尋問の結果中の各一部はいずれも採用できないし、他に以上の認定を左右するに足る証拠がない。

(三)  以上認定の事実に徴すれば、先ず、右柿内、広末の両名は当時相互に意思を通じ、協力して本件山林立木の売却に対して反対運動を行なつていたものであることがうかがえるのであつて、広末自身が前記競争入札の当日、入札現場で直接何らかの妨害行為を行なつた事実、あるいは柿内の前記妨害行動につき予め広末との間に打ち合わせがなされていた事実などは、これを確認するに足る直接の証拠が本件全証拠を検討しても見当らないのであるが、しかし柿内の行なつた前記のような入札の妨害行動は明らかに本件立木売却に対する反対運動の一つであつて、同人と協力してその反対運動に従事している広末にとつては当然予想し得べき行動の埓内に属するものと認められるし、広末自身が入札現場で柿内の使用した「告示」を書きあげたものであること前記のとおりなので、広末も柿内の右妨害行動に伴う結果については柿内とともにその責任を免れないものというべく、右妨害行動は、前記のとおり、本件山林が郷分の所有に属し、右柿内らの共有に属するものでない以上、権利者の郷分の正当な処分行為を少くとも過失により妨害するものであつて、不法行為を構成し、右両名は共同不法行為者であるというべきである。次に、本件山林立木の当時の時価が少くとも金一、〇〇〇万円を下らないものであることは当事者間に争いがないところであり当時少くともこの時価一、〇〇〇万円位での入札額の見込みがあつたことは丸仁商店代表者西内重信本人尋問の結果及び当審における証人松岡勇吉の証言からうかがえるところであるから、前記丸仁商店の入札額ひいては前記最終の売却値が、その時価を下回る価格に終つたことは、右妨害行動の結果として発生した事態であることが明らかというべきである。

(四)  そこで郷分のこおむつた損害について判断するが、一般に競争入札による売買の場合、入札行為の性質は売主の申し込みの誘引に対する買い受けの申し込みであり、売主には買い受けの申し込み(入札)に対しなおこれを承諾するか否かの自由があると解するのが相当であるから、本件のように、入札の最高額が売主の郷分が予定した最低売却値に達しない場合、郷分としてはこの入札額による売却を承諾しない措置に出る余地もあつたと考えられるので、前記のとおり妨害行動の結果入札額ひいては最終の売却値が時価を下回る価格に終つたからといつて、直ちに一概にその差額を前記妨害行動によつて売主の郷分がこおむつた損害であると断ずる訳にはいかないのであるが、しかし郷分が結局その予定した最低売却値以下の価格で本件山林立木の売却を行なうに至つたのには前記(二)で認定の(イ)ないし(ニ)の事情があつたためであり、この事情からすれば、郷分にとつてその際その低下した価格で売却を行なうこともやむを得ない措置であつたと認められるので、本件の場合、本件山林立木の当時の時価と前記認定の最終の売却値八五五万円との差額が前記妨害行動の結果として郷分がこおむつた損害額であるとする判断に妨げとなる点はない。もつとも郷分(控訴人)は得べかりし利益として時価を超える入札見込価格と右最終売却値との差額を主張するようであるが、本件全証拠によるも、本件山林の立木につきその競争入札の際に当時の時価(後記)を超える入札額での入札希望者がいた事実を認めるに足る証拠がないので、この点の主張は採用に由なく、なお当時の時価が少くとも金一、〇〇〇万円に達するものであることは当事者間に争いがないが、果してそれを超えて幾何であるかを確認できる証拠もないので、当時の時価は金一、〇〇〇万円であるというほかはない。従つて郷分のこおむつた損害額は計算上金一四五万円であるというべきである。

(五)  してみると、控訴人(郷分)の各被控訴人(柿内、広末)に対する損害賠償の請求は、被控訴人両名各自に対し右金一四五万円及びこれに対する本件不法行為後の昭和三八年七月四日以降完済まで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める限度において正当であるが、これを超える部分は失当というべきである。

以上の次第で、

一審昭和四〇年(ワ)第一七四号事件につき控訴人らの損害賠償の請求を棄却した原判決は正当であつて、本件控訴は理由がないから民訴法三八四条一項によりこれを棄却することとし、

一審昭和四〇年(ワ)第一七六号事件につき控訴人の損害賠償の請求全部を失当として棄却した原判決は不当であるから、同法三八六条によりこれを取り消し、前記の控訴人の請求を正当とする限度においてこの請求を認容し、その余を失当として棄却することとし、

控訴費用、訴訟費用並びに仮執行の宣言につき同法九五条、九六条、八九条、九二条、九三条、一九六条一項を適用して主文のとおり判決する。

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